2. アルコールと血管機能に関する研究
アルコールの心・血管系への影響として心臓については急性効果による不整脈誘発や慢性毒性による心筋症、血管については急性・亜急性効果による高血圧促進、冠状動脈の攣縮または習慣的飲酒の虚血性心疾患予防効果があります。冠攣縮狭心症は日本人に多い疾患で、冠攣縮による突然死が知られています。アルコールが血管の収縮増強や拡張低下作用などにより冠攣縮を誘発して突然死する可能性が予測されます。これらの観点からラットの血管を用いて種々の血管作動性物質に対するアルコールの効果を検討しています。ヒトでの常用飲酒者や大酒家に相当する慢性アルコール摂取ラットモデルにより血管反応性を検討することで,ヒトによりよく還元できるデータが得られる。慢性のアルコール摂取により血管機能が変化していることが予想され、この変化を解析することで飲酒による循環器関連の突然死や高血圧の発症の機序などの病態の解明に役立つものと考えられる。 |